沖縄の清明祭ってどんな行事?お供えのお重は?
[イベント]四月におこなわれる沖縄の先祖供養、
清明祭(シーミー祭)。
本土では先祖供養と言えば8月のお盆ですが、
沖縄では4月中旬の週末、家族や親族が集まり、
先祖のお墓を綺麗にして、お供え物をします。
先祖供養の仕方も、
本土のお盆とは一風変わっています。
お供えには果物やお菓子だけでなく、
決められたお料理の入ったお重を用意します。
沖縄独特の先祖供養、清明祭の風習や、
お供えするお重のしきたりについてお伝えします。
清明祭はどんなお祭り?
「清明」という名前の由来は中国からきています。
中国で「清明の時期」、旧暦の3月にお墓の掃除を
行い、墓前で先祖と一緒に食事を楽しむという
風習を起源にしています。
中国の清明祭の様子がこちらです。
お墓の形も本土とは違いますね。
沖縄のお墓も同様、大きく、面積も広いのです。
お供えの豪華さも目を引きます。
この中国の清明祭を受け継いで、同様の形で
残っているのが沖縄の清明祭です。
現在の清明祭でも、
4月中旬に父系の墓前に親族が集まります。
お墓の草刈りやお掃除をし、一人一人線香をあげます。
特徴的なのは決まったお料理をつめた
重箱をお供えして、先祖に「食べてもらう」という
風習です。
お線香が消えるのを待って、
ご先祖様が食べ終わるのを待ちます。
その後集まった親族でお重や持ち寄ったお料理を
食します。
お墓の前にビニールシートを広げ、親族みんなで
お供えを食べる様子はさながらピクニックの様です。
ご先祖様と一緒に、感謝しながら、
親族仲良く、ご馳走をいただく。
ご先祖様を大切にして、距離が近い、
沖縄の風習が現れたお祭りです。
このお供えのお重、
中に詰める料理や詰め方に決まりがあります。
宮廷料理のような「おもてなし」料理です。
お重の中身はどんな料理なのでしょうか。
清明祭のお重の中身は?
清明祭のお重は9品、奇数と決められています。
品目は、
- かまぼこ(赤か白)
- 昆布
- 豚の三枚肉
- 揚げ豆腐
- こんにゃくの煮つけ
- ごぼうの煮つけ
その他に
- 大根か田芋の煮つけ
- カステラかまぼこ
- 白身魚の天ぷら
などが基本的な品です。
かまぼこはもし
喪に服す時期であれば白、そうでなければ紅
になります。
別に用意するお饅頭の紅白もこれに倣います。
お肉も喪に服しているときとそうでないときには
盛り付け方に違いがあります。
地域の風習に従います。
大根や昆布も然り。
品物や飾り結びをめでたい態にするか否かは、
その時の親族の状況にふさわしくします。
お重への詰め方がポイント。
市松模様にきっちり並べられた清明祭の
お重は見た目も美しく、おもてなしの風格があります。
9品目を碁盤の目のようにきっちり3×3で並べます。
墓前の中央が昆布、その下中央がかまぼこ
その下、下段の中央はお肉といった順に詰めます。
このほかにお餅を詰めたお重をもう一段用意します。
大勢の親族が集まる清明祭のお料理を用意する
一家の女性陣は大忙しでしょう。
沖縄ならではの楽しいお墓参り、清明祭。
春うららかな日和の中、親族そろって
和やかにすごせれば、最高の供養ですね。